最初にメーカーであるサニーサイドシューズ様よりお声がけいただいた時、
私たちにはパンプスのデザインの経験は全くありませんでした。

関西の靴の産地といえば神戸を思い浮かべる方も多いとおもいますが、
大阪にもあることを私たちも初めて知りました。
大阪の山地は際立つ、目立つデザインをあまりしてこなかったことが
名前が浸透してこなかった原因なのではと言われています。

子供をうむ準備や産んだ後の子育て期と、
女性のパンプスからスニーカーへの履き替えがおこってしまうのは
ある意味当然の流れです。

その中でもそのパンプスメーカーの社長は
「履き心地のよいパンプスで、もう一度パンプスのスタイルを楽しんでいただきたい」
そんな思いから、柔らかな本革を使ったパンプス作りにこだわり、
「いい足入れ感」「無骨ではない」コンフォートパンプスを作っているメーカー
として流通の中で定評のある会社になっていました。

その会社の社長様から
「いままでの考え方に浸かっていないデザイナーがいい」
「流行に流されずに永く愛される靴を作りたい」
とのお話をうけ、お手伝いさせていただくことになったのです。

（ 文：三宅 ）

「流行に流されずに永く愛される靴」のデザインの答えを探索し、
履物の歴史、パンプスの作り方から勉強させていただき、
本当に数多くのデザインスケッチを書きました。

スケッチを描いてはみるものの、
「このラインでは履き心地がよくならない」と指摘を受けたり、
自分たちでも「このスケッチは永く愛されるデザインなのか？」と自問したりという
時間がかなりあったように思います。

なんどもパンプス売り場に足を運び、
どのようなものが「流行に流されない」のか。
このジャンルにおいて
「新しいデザイン」と「流行に影響されないデザイン」が
両立するのかと悩んでいたことを思い出します。

そんな私たちが最後に出した答えは
「靴をデザインしない」ということでした。

新しいデザインを作り続け、売り場を新しくし続けないといけない
「商品」として靴を見てしまうことをやめ、
「脚」の一部として、「脚を美しく見せるもの」として、
デザインを考えると自然に答えが見えてきたように思います。

そして完成したのが、このLINE01とLINE02のデザインです。
LINE01は「くるぶしの周辺を引き締めて魅せるカットライン」
LINE02は「脚をすらっと長く魅せるアシンメトリーなカットライン」
が特徴です。

私たちも販売の現場に立たせていただくこともあり実感しているのは、
特にこのパンプスは履いている脚全体の見え方と
履き心地の良さに驚いていただき、
ご購入を判断されていないように感じています。


（ 文：三宅 ）

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